日本発の新種恐竜!カムイサウルス・ジャポニクスはどこが新しいのか?
全長8メートルのカムイサウルス・ジャポニクス(直訳すると「日本の神トカゲ」)。これまで「むかわ竜」の通称で親しまれてきた恐竜が新種と認められ、正式な学名がついた。2003年に北海道むかわ町で尻尾の骨が発見されて以降、様々な幸運が重なって全身の8割以上が発掘された恐竜だ。この化石には、これまで命名されたどの恐竜とも異なる特徴があった。つまり「新種である可能性」に最初に気がついたのは、発掘の陣頭指揮を執ってきた北海道大学の小林快次教授(47)。カムイサウルスの名付け親でもある。海外のフィールドを飛び回り、化石を見つける目の確かさからファルコン・アイ(ハヤブサの目)の異名を持つ研究者で、恐竜好きの子どもたちからは「ダイナソー小林」としても知られる。プロフェッショナルとしては「新種」の可能性に気づいても、軽々しく口に出すことはできない。研究に打ち込みつつ可能性を探ってきた心の内を、小林氏の新著『恐竜まみれ――発掘現場は今日も命がけ』から紹介しよう。