「あんな山奥まで?」読んで仰天、ラストバンカー西川善文の強烈な好奇心
ちょうど『半沢直樹』最終回の頃に本書『仕事と人生』の著者・西川善文氏が亡くなった。西川氏は元住友銀行の頭取で、安宅産業破綻やイトマン問題を処理し、90年代後半から2000年代にかけて不良債権処理を進めた人だ。金融に詳しくなくても「これは大変」と怯(ひる)む仕事ばかり。そして“ラストバンカー”と称される……というところまでは、私は知っていた。新聞で何度も取り上げられていたからだ。記者からの敬意が伝わる記事が今でもたくさん読める。本書は西川氏の「仕事」に対する考えがまとめられ、タイムレスな言葉と教えがつまった1冊だ。